ダート替わり*1

最近、ダート替わりで狙える血統について調べている。調べていると、今まで思ってもみなかったことがいろいろわかってきたので、ここで少し報告したい。まだ形にはなっていないのだが、ある程度傾向は見えてきたので。



まず第一に、競馬とはプレイヤーがJRAにプールした金を奪い合うゲームなのだから、儲からなければ意味がない。当たり前かと思われるかもしれないが、これが意外と落とし穴。

つまり、的中率ではなくて重視するのは回収率なのである。いくら的中率が高くても、儲からなければ意味がない。的中率が40%くらいあっても、配当が安いのばっかで回収率が70%じゃいけないのである。
かといって、回収率が100%を越えても、的中率が10%を切るような馬券は問題である。それでは精神的に苦しいし、お金も回転していかない。


1番理想的なのは、回収率は当然100%以上でなおかつ、的中率も最低でも20%。いや、25%くらいはほしい。





かなり前置きが長くなったが本題。





サウスヴィグラスとかアフリートとか、誰が見てもダート向きの種牡馬の産駒のダート替わりは期待値が低い
2競馬は刻一刻と変化しているので、データはせいぜい過去3年分くらいしか意味を持たない
3母系も大事
4現役時代は芝で活躍したが、血統的にはダートもいけそうという感じの種牡馬の期待値が高い





まず1について。これがまず驚いた点の一つ。今まではダート向きの種牡馬の産駒のダート替わりを喜んで買っていたのだが、実はこれが大間違いであることがわかった。ダート向きの種牡馬の産駒のダート替わりは狙えないのである。
原因はおそらく、ダート向き種牡馬の産駒のほとんどはダートでデビューするからだろう。ここではサウスヴィグラス産駒を例にとるが、サウスヴィグラスがダート向きだというのは、調教師も馬主も百も承知である。それでも芝を使ってくる馬というのは、“血統を考慮しても、どう考えてもこの馬は芝向きの走りである”という馬。そういう馬はやはり芝向きの馬なのである。よって、ダート替わりで人気になって走らない。
父がダート向きの種牡馬でも、当然芝馬が出る事だってある。







2について。これはデータ派の方々は驚かれるというか、否定する人も出てくるかもしれないが、今回データをとってみて改めてそう思った。


今回はフレンチデピュティを例にとる。フレンチデピュティの産駒が日本で走り始めて10年近くなる。代表産駒クロフネに代表されるように、芝もこなすが、ダートの方がベターな馬が多い。

フレンチデピュティのダート替わりを調べてみた。
結果は[28,25,19,127]で、勝率14.1% 複勝率36.2%
           回収率は単111% 複109%
である。この数字だけ見れば、的中率・回収率とも文句なしで、十分使えるデータである。




しかし、このデータを更に細かく見ていくと新たな発見がある。



2004年*1[4,1,4,8]勝率23.5% 複勝率52.9% 単回70% 複回70%
2005年[11,8,5,21]勝率24.4% 複勝率53.3% 単回278% 複回189%
2010年[2,5,0,20]勝率7.4% 複勝率25.9% 単回88% 複回94%
2011年[0,0,0,5]勝率0% 複勝率0% 単回0% 複回0%





お分かりだろうか。来日当初はダート替わりで2回に1回は馬券になり、回収率も申し分がなかったのが、ここ2年は複勝率が来日当初の勝率と同じくらいまで落ち込み、今年にいたっては馬券に絡んだ馬はなんと0である。

これがたまたまでないところがデータの恐ろしいところ。原因は、来日当初はフレンチデピュティ産駒の適正がわからなかったことにある。陣営も馬主も適正が分からないから、とりあえず芝で降ろす。芝で何回か走ってにっちもさっちもいかなくなった馬がダートに矛先を向ける。芝の着順が悪いから人気ない⇒激走で穴馬券。このくり返し。

しかし、年月が経てばやがて種牡馬の特徴もわかってきて、フレンチデピュティが本来ダート向きだということが知れ渡る。
そうすると多くの馬がダートから降ろしてくる。それでも芝で降ろす馬は大抵1のパターン。よって期待値が低い。



要するに、フレンチデピュティは来日当初の成績がいいから数字だけ見ればダート替わりで狙えるが、現在は?パターンの種牡馬だから狙えない。つまり、データは生き物だからあまり古いデータを使っても意味がないのである。馬券プレイヤーの認識が変化すればオッズも変わってくるから、今まで狙えたものが狙えなくなっていくこともあるのである。



3についてはとりたてて今更言う必要がないかもしれないが、大事。父名は大抵血統やってない人でもみるけど、母系ってあんまり見ない。だから、父が芝向きの産駒はダート替わりであんまり人気にならないから、母系がダート向きだと期待値が高い。だって、母系は見てる人が少ないから。多くの人はそこまで考慮に入れてないから、母系がダート向きの馬がダート替わりで出てもオッズに反映されない。




4について。誰が見てもダート向きの種牡馬は期待値が低い話は?でした。反対に、誰が見ても芝向きの種牡馬の産駒のダート替わりは、やっぱり期待値が低い。例えばグレイソヴリンが入る種牡馬ハーツクライとか、ジャングルポケットとか。あとはディクタスの系統とか。


で、いいのは現役時代は芝で活躍したけど、血統的にはダートもいけそうな種牡馬。これはやっぱり多くの人が、父名を見たとき“この馬の父は芝で活躍したからダート替わりはプラスにはならないだろう”と思うからでしょう。しかし、血統をやっている人は、戦績ではわからにことを血統から推し量るので、期待値が高い種牡馬を見つけやすい。


例えばキングカメハメハとかシンボリクリスエスとか。現役時代は共に芝しか走ってないけど、血統的にはダートもいける血統である。こういう種牡馬の産駒は期待値が高い。


しかし、この期待値の高さも長くは続かないと思う。なぜならば、やがて、ダートで狙えるということが世間で認知されるからである。世間が認知すると、当然それはオッズに反映されるから期待値は下がる。というか、この2頭については既に多くの馬券プレイヤーがダートでもいけることを認知しているでしょう。







とまあ長く書いてきたが、結局難しいって事です。せっかく使えるデータを見つけても、それは長くは使えないわけだし。だからこそ先見性というか、人よりも先に使えるデータを見つけることが大事だと思う。

とりあえず、現時点ではゼンノロブロイなんかはダート替わりでめきめき頭角を現すんじゃないかとみておりますが、はて。




というわけで、明日以降も未勝利のダート戦をガンガン買っていきたいと思います。




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*1:産駒が日本で走り始めた年