最重要ステップ・天皇賞秋からの馬

今日は日本馬、とりわけ古馬の分析。ちなみに、現時点でもう◎は確定済み。





今年の天皇賞は1000m通過59'8、上がり3Fが33'7の所謂“切れ味比べ”のレースになりました。特にここで抑えておきたいのは、今東京開催は府中牝馬Sをはじめ内の先行馬が壊滅状態だったのが、Bコースになったことで突如として“内しか残らなくなった。外を回った馬は物理的に速い上がりを使っても届かない”という状況になったことです。
だから、外を回って差し届かなかった馬や、距離が短くてジリジリとしか伸びなかった馬は要注意です。
そこが天皇賞⇒JCの出し入れにおいて一番大事なところ。ここらは個別に馬を。




ウオッカ

まず今年のJCは兎にも角にも“ウオッカを買うかどうか”でしょう。俺はまだその結論を出せずにいます。


Japan Cupの最初のエントリーの[今年の見通し]のところにも書きましたが、天皇賞のレース後は“JCはウオッカはまずいらない”と思いました。おそらく多くの人がそう思ったはず。






普通に考えればウオッカは買えません。所謂“危険な人気馬”の典型でしょう。戦績からもマイルベストは明らかで、2000m以上のレースの勝利はダービーと天皇賞だけ。天皇賞は有利な内を通り多少詰まったりはしたものの馬群を縫うように伸び、“さあここから後はスクリーンとカンパニーだけ”と更に加速した瞬間、一気に止まりました。最後は一旦抜いたスクリーンヒーローにも差し返されて3着。
毎日王冠はともかく、目標としていたレースを、ほぼ何の不利もなくスムーズに運んだにも関わらず二度にわたって同じ相手に負けたこと。そして最後はスクリーンヒーローにも差し返され、“使える脚が短くなった”という印象を与えたこと。JCは明らかにウオッカにとって天皇賞よりも条件が合わないこと。そして何よりも、“今まで負けたことはあっても、本当に勝ちたいレースは必ず勝ってきたウオッカが、本当に勝ちたいレースを何の言い訳も出来ないレース展開で負けた”。このショックは陣営にとって計り知れないし、そういう意味ではウオッカは消しが妥当でしょう。






ただそれでもウオッカを安易に切れないのは、“この馬は常識では測れない特別な何か”を持った馬だから。今まで、苦しければ苦しい時ほどその逆境を跳ね返して栄光を掴んできた馬。

ダービーへの挑戦。“ほぼ確勝”と思われていた桜花賞を負けた後、悲壮感漂う中ただ1頭牝馬でダービーに挑み、あんなに苦しい状況下で、牡馬相手にダービーをもぎ取れる馬が他にどこにいるか。

スランプに陥り、最後の切り札的なレースである牝馬相手のヴィクトリアマイルにも敗れウオッカ伝説が崩れ去ろうとしている時、同じ距離・同じコースで牡馬相手にあそこまで突き放して圧勝できる馬が他にどこにいるか。

同世代のライバルに負け続け、“もうここで負けたら一生ダイワスカーレットには勝てないかもしれないという”精神的に苦しい状況で、ライバルにハナ差で競り勝てる勝負強さを持った馬が他にどこにいるか。






育成技術や調教・血統がどんどん進歩し、トウカイテイオーオグリキャップのような“奇跡”が限りなく起こりにくい現代の競馬界において、ウオッカは特別な存在。常識が通用しない天才的な馬。
だから今回も常識的には買えないけど、“それでもウオッカなら勝ってしまうかもしれない”“また常識では考えられないようなことを起こすかもしれない”という感じがぬぐえない。今までも苦しければ苦しい時ほど結果を出してきた馬だから。
だから常識的には消せても、安易には消せない。もうちょっと悩んで決めたい。





スクリーンヒーロー

ウオッカで長くなりすぎてしまった(^^;
スクリーンヒーローは手短にw



ま、一言で言ってしまうと“JCを連覇するほどの馬ではないよね”という印象です。今までJCを連覇した馬はゼロ。オペラオーもロブロイもスペシャルウィークもできなかった。それをスクリーンヒーローができると思うだろうか。


前走をブリンカー効果や北村得意の内枠のイン突きでなまじ好走してしまったため、今回は株も上がるでしょう。いろんな意味で、“買うんだったら天皇賞だったな”という気がします。

前走先行しているのも今回を考えたらマイナスだし、ブリンカー・イン伸び・先行・距離短縮・休み明けと、前走で一変する要因をほどんど使っての好走だけに、JCでそれ以上のいい意味での鮮度を期待するのは難しいと思います。明確な消し材料はありませんが、ほぼ消しに近い評価。人気だろうし買いません。





オウケンブルースリ

ウオッカが普通に考えれば消せる人気馬なら、この馬は普通に考えれば買えるよね。


天皇賞の“スローの切れ味勝負+内有利”という状況で、外からジリジリ伸びてきたわけですし。今までのレースからも2000mよりも2400mの方がいいことは明らかだし、天皇賞でもジリジリと伸びてきているから、距離が伸びて天皇賞よりも遅い上がりで差してこれる今回は着順を上げてくると予想できるでしょう。



ただレース映像観ているとどうも坂で置いていかれるのが気にかかるんですよね。東京で走った今年の天皇賞と昨年のJCはもちろんだし、阪神神戸新聞杯や生田特別も坂では全然伸びず、坂を上がってから加速しています。府中の坂と言えば、直線に向かいどの馬も追い出すとき。そこからどこまで長く伸び続けられるかがJCでは大事になってきます。
そんな大事な局面で、加速できずに他馬から離されてしまうのは致命的だと思いますし、天皇賞も昨年のJCも少し前が詰まっていたのは、このことが関係しているんじゃないかなと。前がふさがっても、坂を上がって一瞬で馬群を割って伸びてこれるなら別ですが、そもそもジリジリと息の長い脚を使うのが長所の馬だからそこまで一瞬の脚はなし。

京都外回りでみせたあの豪快な伸び脚は、4角の下り坂を利用し一気に助走したからこそできる脚。あの脚を府中の直線で発揮することはできないかなーという印象です。


天皇賞から着順自体は上げてきそうですが、突き抜けるまでの破壊力は感じないなぁ。






以上天皇賞組の有力馬についてでした。とりあえず、◎はこの中にはいません。この3頭に順番つけるなら、ウオッカ>オウケン>スクリーンという順番です。



あ、◎はここに書いていない天皇賞組でもないですよ(^^;





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