人間心理から考えるWIN5研究その２(検証編)
今日はその１で立てた仮説について、データをとって分析する。
その１を読んでない人はこちらを参照ください。
この中で、今日は２の仮説について。本当は１から順にやるのが普通だが、内容的に２の方を先にやるべきなので。
仮説２ 人気馬を入れておかないと人間は不安になるので、上位人気馬は単勝支持率よりもWIN5支持率のほうが人気になっていることが多い。特に３レース目以降はその傾向が顕著なのではないか。
対象はWIN5の売れ行きが８億円台になった2012年8月26日の新潟２歳S週から2013年中山記念までのWIN5対象レース１４５。
須田・伊吹両氏は
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の中で、「特定レース特定馬と、そのほか４レースは１人気勝利時」というものをWIN5支持率としてオッズの代用として採用しているが、これは競馬関係者用のプレス席でその日１日だけ取得できるデータで、私にはできない。それに、WIN5はおそらく特定の人気馬だけローラーして、たとえばすべて１人気もしくは２人気が勝った時だけ当たるように買っている、「どうせ当たらないからちょっとだけ買って当たれば儲けもの」的な感じの票がかなり入ってるせいで、あのオッズでは人気馬ほど厳しく出てしまう。
よって、このデータでは実際にその人気の馬が勝利した時にどれだけ票が減ったかという現象から支持率をだし、それをオッズに直したものを使っています。
なお、統計学には誤差という解釈の範囲が存在するので、このデータでは単勝支持率とWIN5支持率*1を比較し、単勝支持率から前後0.1倍の中を有意差なしとして誤差の範囲として集計しています。
具体的に例を出すと、単勝オッズ３．２倍の馬は支持率に直すと約２５％です。これのそれぞれ１．１倍、０．９倍である支持率27.52%*2〜22.52%*3までは誤差として「有意差なし」として扱います。つまり、単勝オッズ３．２倍の馬が勝った場合、その残存率から支持率をだし、それが単勝オッズ２．９倍以下なら「WIN５の方が有意に損」、３．５倍以上ついた場合「WIN５の方が有意に得」、として扱います。
ここではわかりやすくするため、１〜３人気の上位人気と、５人気・７人気の中位人気をデータとして出しました。ちなみに、対象１４５レースのうち８人気以下が勝ったレースは５レースしかなく、８人気以下はほぼ考える必要はありません。
仮説はやはりある程度正しく、上位３人気まででWIN5の方が損をしたケースは１人気が２６％、２人気が４８％、３人気は５６％でした。
それに対して得をしたケースは１人気が１９％、２人気が１０％、３人気が１９％です。
１人気はそうでもないですが、２，３人気が勝った場合、約半分のケースで損をするということです。でも１人気はそんなに差があるわけでもないので、上位人気で迷った場合は１人気を選択する方がより賢い選択と言えるかもしれません。ちなみに、１人気の勝率が２９％で、２，３人気はそれぞれ２０％、１１％ですから、出現率からもオッズ面からも２，３人気よりも１人気の方が良いというデータがでました。
須田・伊吹両氏が著書中で唱えていた「２人気損説」はこのデータからも顕著と言えます。理由は、だいたい多くの人が３頭前後１レースにおくから、２・３人気も１人気とそんなに変わらない数が選ばれるからと推定されます。
対して５人気になるとWIN5で損をする確率は８％。やはり下位人気になるほど、WIN５では単勝よりも支持率が低いということがいえます。７人気は損する確率が４０％で得する確率が６０％という極端な結果が出ました。
本来ならば、５人気よりも下位人気なのだから、損する確率は８％より低くならなければいけません。ならなかった理由は２つあると考えています。
・７人気が勝利したケースは１０しかなく、サンプルが少なすぎて正確な数値が出なかった
・７人気くらいの馬は１発嵌ればみたいなタイプも多く、荒れるレースと認定されると買われるケースが多い
ということが考えられます。
というわけで、仮説２の“人気馬を入れておかないと人間は不安になるので、上位人気馬は単勝支持率よりもWIN5支持率のほうが人気になっていることが多い。特に３レース目以降はその傾向が顕著なのではないか。”
は事実であることが立証されました。
“特に３レース目以降はその傾向が顕著なのではないか。”
については、次回に、仮説１のケースと合わせて検証します。
やはりWIN５は、人気馬が勝つレースが多ければ多いほど、損な配当になる確率が高いというわけです。
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