ダイワスカーレット
ダイワスカーレットの強さとはなんだろう。
あのスピード?
比類なき安定感?
どんな距離やコースにも対応するオールマイティなところ?
この馬は、決して派手な勝ち方をする馬じゃないし、際立ったカリスマ性というか、特別な競走馬だけが持つ“オーラ”というものがそんなにない馬だった。
だから、何度走って何度勝ってもなかなか世間のこの馬の評価は上がらなかった。
“ペースが向いた”
“アンカツの好騎乗”
でも、それだけではない。やっぱり、ウオッカの存在がダイワスカーレットの評価がなかなか上がらなかった最大の理由だと思う。
ダイワスカーレットを語る上で、外すことのできない宿命のライバル・ウオッカ。
ダイワスカーレットが絶対的な安定感を誇る“秀才”だとしたら、ウオッカは爆発的な強さを魅せつける“天才”。
ウオッカは64年ぶりとなる牝馬によるダービー制覇をはじめ、エアグルーヴ以来となる牝馬の年度代表馬など、間違いなく競馬史に残る名馬。
一方、ライバルのダイワスカーレットはどうだろう?
“〜年ぶりの”なんてのはつい先月の37年ぶり牝馬の有馬記念制覇ぐらいのもんで、圧倒的な強さと安定感を誇りながら、実績で言えば競馬史に長く刻まれるものではない。せめてオークスを熱発で回避なんてことにならず、牝馬3冠を達成していれば違ったかもしれないが・・・
でも、そんなところも“秀才”ダイワスカーレットらしいのかも。
ようやくその絶対的な強さと安定感に実績が伴ってきて、“さあ今年は世界だ!!”って時にこの引退のニュースは1競馬ファンとして本当に残念だけど、最後に唯一となる牡馬混合G1を制覇することができてよかったと思います。
ただ、もし“たられば”が許されるなら、せめて発症があと2ヶ月遅れて、フェブラリーSでのカネヒキリとの芝ダート最強馬対決、更には日本馬初制覇がかかるドバイWCでの走りが見たかった。
ダイワスカーレットは、“日本馬がついにドバイWCを勝てるかも”と心の底から思わせてくれた。こういう気持ちを持たせてくれたのは、クロフネとダイワスカーレットのみ。
奇しくも2頭ともマツクニ厩舎の管理馬で、2頭ともドバイの地を踏むこともなく引退。。。
この10年で4頭ものチャンピオンホースを屈腱炎で引退させたマツクニを批判する人もいるけど、ことダイワに関しては仕方ないことだと思う。マツクニじゃなきゃ、ドバイWCを勝つことができるまでの馬を作ることがそもそもできなかっただろうし。
ダイワスカーレット、お疲れ様でした。
“世界”という夢を見せてくれてありがとう。
月並みだけど、今度は子どもと競馬場で会える日を楽しみに待ってます。
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ウオッカVSダイワスカーレットのライバル対決はG1では都合4度ありましたが、そのうちウオッカもしくはダイワが勝った3レースは全て現地で観戦してたりします。
後世に語り継がれるようなライバル対決を、3度も現地で目撃したとは、俺は幸せなのかも。
そんなダイワスカーレットの個人的ベストレースは桜花賞。ウオッカとダイワスカーレットが力と力で真っ向からぶつかり合った、唯一のレースだと思う。
昨年の天皇賞を推す声が多いだろうけど、あれは結果的に名レースになっただけで、条件的には明らかにウオッカが有利な情勢だったし、ダイワの異常なまでのテンションの高さもあり、力と力が真っ向からぶつかったレースとは言えないと思う。